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原作:東野圭吾
出版:毎日新聞社(単行本)357ページ
発売:2003/03
本格推理から学園ミステリー、パロディー小説や絵本など、さまざまな作風で読者を魅了しつづける著者「東野圭吾」が、本書「手紙」でテーマに据えたのは、犯罪加害者の家族。
犯罪が、被害者や加害者だけではなく、その家族にまで及ぼす悲しい現実を見据えた意欲作である。
殺人犯の弟という運命を背負った高校生が成人し、やがて自分の家族を持つにいたるまでの軌跡を、大げさなトリックやサスペンスの要素を用いることなく、真正面から描ききっている。
武島直貴の兄・剛志は、弟を大学に入れてやりたいという一心から、盗みに入った屋敷で、思いもかけず人を殺めてしまう。
判決は、懲役15年。
それ以来、直貴のもとへ月に1度、獄中から手紙を送る剛志。
一方で、進学、恋人、就職と、つかもうとした人生の幸福すべてが「強盗殺人犯の弟」というレッテルによって、その手をすり抜けていく直貴。
日を追うごとに、剛志からの手紙は無視され、捨てられ、やがて…。
レビュー1
犯罪加害者・犯罪被害者の事を描いた作品は多くありますが、この作品「手紙」が最高傑作だと思います。
主人公は兄が犯罪者であるが為に様々な苦境に立たされます。
それが理不尽に感じられ、もどかしい気持ちになりますが、登場人物の一人が犯罪者の家族は差別を受けても仕方がないという理論を展開します。
その言葉が論理的で説得力があり、私もそちらに傾いてしまいました。
最後にある人物からある人物へ送られる手紙を読んだ時は何とも言えない感情が湧き上がり、この本「手紙」を読んで本当によかったと思えます。
レビュー2
この本「手紙」を読むにあたり、高校時代、ある社会科の教師が言っていたことが思い出される。
「犯罪者の家族も犯罪者扱いされる」・・・具体的な事例として、その頃世間を震撼させた、某宗教団体によるサリン事件、和歌山の毒入りカレー事件、筋弛緩剤点滴事件、大阪の小学校襲撃事件などの容疑者の家族についてであった。
彼らの親兄弟は職場や学校を追われてしまい、新たな所へ行ってもどこかからそういう情報が流れてしまうために、行き場を失っている、連続幼女誘拐殺害事件の宮崎某の父親など、自ら生命を絶った・・・という話だったと記憶している。
読み進めるうちに、何故そのようになるのかも考えさせられた。
「差別や偏見はよくない」と言っても、我々は普通に生活していれば、厄介な問題、とりわけ殺人事件など自分の身近にはないものと考えたい、なるべくなら関わりたくないと思うのが普通の感覚かもしれない。
「殺人は何故いけないのか」という理屈や理論はともかく、それに関連するものが身近にあると、避けようとするのも人間の本能に依るものなのだろうか?
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