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秘密 東野圭吾著

 

秘密 東野圭吾著


原作:東野圭吾

文藝春秋(単行本)

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妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。


妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。


その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まった。


映画「秘密」の原作であり、98年度のベストミステリーとして話題をさらった東野圭吾の長篇、ついに文庫化。




レビュー1


読み終えて感じたのは、まず圧倒的な切なさ。


そして「もっと何とかならんかったんかい!」という怒りに似た変な気持ち。


さらにこうゆう風な愛の形もあるんだ、という許容心など複雑な感情がどんどんわいてきて、仕事をしてても、ついラストを思い出し、再考する自分がここにいる。


また「あのノートには、きっと何も書かれていなかったんだ!」と気づいて驚愕する自分。


私も男であり平介の気持ちが痛いほどわかり、素直に感情移入できた、しかしだからこそ「これから平介はどうなるんだ?」という気持ちが強い。


妻をただただ愛し、浮気もせず、禁欲的な生活を送って14年・・・。


54才になって一人ぼっちだ・・・。


再婚だってできないだろう・・・。


つらい、つらすぎる・・・わが身に当てはめると尚いっそう切なさがこみ上げ、平常心でいられなくなる。


直子の選択は本当に正しいのか?自分にとってはそれが生きていくうえで最善かもしれないが、本気で平介のことを考えてはいないだろうと思う。


これから再婚したら?とでも言うのだろうか?今後二度と直子には戻らないであろう藻奈美を見ながら、平介ははたして残りの人生を生きていけるのだろうか?つらすぎるっっ。


自分には耐えられないであろうな・・・。


と同時にもうひとつ考えたのは、自分も自分のためだけでなく、愛するものの事ももっと考えて生きていこう、やさしくなろうと思えたことだ。


最近ちょっとしたことで妻とのけんかが多い。


思いやる心をどこかに落としてきたようだ・・・。


それを拾わせてくれた本でもある。


切なくて何度も読み返すことなどおそらく自分にはできないが、今後の人生において、このラストのことと、ラストで考えさせられたことは一生忘れないであろう。


レビュー2


アマゾンのレビューを参考に、いつも本を買わせて頂いております。


「秘密」や「容疑者Xの献身」でビッグタイトルを受賞されている東野圭吾さんですので、アマゾンでのレビューも少々辛口に感じます。


この物語も、人間の人格が乗り移るという設定です。


当然このようなことは身の周りにはないはず!?です。


少々妄想じみた前提からのスタートなので、やはり人それぞれの好みによって大きく評価は分かれます。


ですが、あえてこの妄想が現実、それも僕らの身の回りに起きている事実だと仮定したうえで、改めて読みなおします。


不思議なことに、人間の人格が移り変わることをのぞけば、全くこのストーリーに矛盾はありません。


この夫婦の感情や行動、言動も、その場面で適切です。


この土台が積みあがっていき、衝撃のラストを迎えます。


他のレビューに目を通したところ、ラストシーンでのなおこの決断に疑問を持っておられる方が多くいるようです。


先ほども申し上げた通り、やはり人それぞれの期待するクライマックスがあります。


ですが、この本「秘密」を読んでいる最中に、これほどのクライマックスが想像できたでしょうか。


少なくとも僕に関しては、このラストシーンの衝撃がどれほどのものかを理解するのにある程度の時間がかかります。


著者の東野圭吾さんが男性でありますから、同じく男である僕にも、なおこの心情や行動は極自然かつ極めてびっくり!!です。


しかし、女性の視点ですと、「こりゃないでしょ〜」と思うのかも知れません。


難しいことです。


夫婦を扱うストーリーで、男女共の共感を得るのは。


深い物語です。


東野圭吾著「秘密」、一読されることをお勧めします。




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